Oto-Latteは電気羊の夢を見るか？

「ラジオ」でニュース検索をしていたら、こんな記事に出くわした。

ネットニュースを声で読み上げ　音声合成ラジオアプリ「Oto-Latte」（IT Media）

 （引用）

テキスト情報をラジオ風に読み上げる独自技術を採用。ニュースや天気情報などのテキストを音声に変換して自動再生するという。スタート時には 「ITmedia News スマート」「時事通信ニュース」「TechWave」「nanapi」「MANTAN WEB」「GIZMODO」などが記事コンテンツを提供している。 

また、ニュースや音楽などのジャンルを選び、自分専用の「番組」として登録できる機能も搭載。番組の情報は定期的に更新され、日々の最新情報をラジオ風の音声で楽しめるとしている。

  

こんなアプリを作ってしまうなんて、しかも無償で配布してしまうなんて、おまけに目覚めの遅いラジオ業界へ一発かましてしまうなんて、なかなかの寝業師ですなソニーコンピュータ研究所さん。

というかね、リクツ抜きで面白いんですよこのアプリ。

思いっきり人工音声なので、固有名詞などたどたどしいことこの上ないわけですが、単にＷＥＢニュースのテキスト読みには飽き足らず、合い間にiPod内の音楽をランダムに読み込み、アーティスト名と曲名を読み上げてくれるなど、なかなかにラジオらしい音の塊が生成されます。
まぁ、細野晴臣を“ホソノせいじん”と宇宙人扱いしてしまい「さすがスターボーの生みの親」と唸らせてくれるところはご愛嬌ですが、このシステムとGunosyがいずれ実現してくれそうな、ユーザーの嗜好に合わせてニュースをチョイスしてくれる究極のアルゴリズムが組み合わされば、「ながら聴き」の定番アプリへと大化けしてしまいそうな予感がします。

今も「オトラテ」流しながら、このエントリを書いているわけですが、ホントに面白い。ヤバい。だってそもそもiPodには自分のお気に入り曲しか入ってないわけだから、そこにほぼリアルタイムでニュースが更新されてくるとなれば、そりゃもう夢の俺ラジオなわけじゃないですか。
主要ニュースとエンタメニュースの間にBeach Boys『SMiLE』のアウトテイクが挟み込まれるんですよ。どこにあるんですか、こんなラジオ。本気で満喫ですよ。

でね、僕はここでラジオ業界の危機を訴えるつもりも、ローカルラジオの優位性を叫ぶつもりもございません。
ただ、ここまでラジオ的なアプリが出現してしまうほど、ニュース＋音楽＋アナウンス読みという構成が形骸化していること、これは自覚しといた方がいいのかもしれませんね。