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ラジオの課題?まぁいろいろあるわけだが。

2010年2月、こんな記事を書いた

中の人的「IPサイマルラジオ」あれこれ。(Virtual Studio 440)

 

(以下引用)
言うまでもなく、ラジオがパソコンで聴けるメリットはあまりにも大きい。特に30代を中心としたネットワーカーがラジオに接する機会が増えれば、自ずと平均聴取年齢が下がる。これが聴取率データに反映されれば、広告ターゲットもより若年層へシフトする。特にAM局においては、従来の中高年対象の業種以外へも媒体価値をアピールできるのだ。

 


その翌月に関東・関西圏で、また1年後の2011年3月(東日本大震災の直後)に中京圏でradiko.jpが始動。それ以降、エリアは拡大したものの、基本的には引用部分で書いたことから、たいした進化はない気もする。

先のエントリにも書いた「20代男性の聴取率増加」というニュースが、媒体価値の向上にどう働くか、平たく言えばどう広告セールスに繋がるか、正直わからない。おそらくどんなアナライザーもわからない。

ちなみに昨日こんなプレスリリースがあった。

TBSラジオ 2013年4月度個人聴取率調査で首位!

(株式会社TBSラジオ&コミュニケーションズ)

(以下引用)

TBSラジオは1.3%を獲得し、首位。
2位はニッポン放送、文化放送が同率で0.8%
4位はJ-WAVEで0.7%、5位はNHK第一で0.6%、
6位はTOKYO FMで0.5%でした。


これまでTBSラジオが具体的な数字までリリースしていたのか記憶にはないけれど、ラジオの平均聴取率は概ねこんな数字だ。「名古屋のラジオは元気だ」と言われる中京圏すら、これらにコンマ数ポイント足した程度だ。
同じような愛好家が集まるラジオファンにはリアリティのない数字だと思うけど、実態はこんな感じなのだ。

そしてこの数字は、ジリジリと下がっている。radiko.jpが始まったにも関わらず、だ。もしかしたらradiko.jpのおかげで下げ止まっているのかもしれない。

さらに広告収入の低下という、もう一方の問題もある。
ただ、ここ10年の広告費の推移を見ていると「聴取率が悪いからCMが売れなくなった」と断定できるほど密接にリンクしているわけでもない。
聴取率の降下について言えば、すでに2000年代の初めには顕著になっている。対して営業成績が急激に悪化したのはその数年後だ。

僕の知る限り公共放送・民放各社問わず、編成・制作・営業問わずラジオに関わっている者は頑張っている。でも、その頑張りは昔のように即効性が期待できない。当然それには理由があり、原因究明もある程度されている。でも解決できない。そこが大いなる悩みである。

最悪なのは、効果が表れないことを旧来の価値観に倣って「やり方が悪い」「頑張り方が足らない」と精神論で断じてしまうこと。それはスタッフが一番傷つく。それならお前が先陣切って行って壮絶に散って来い、としか思えない。

ただ、どんな世界でも同じだと思うけど、何かが低下してきた時にこそ新しいことがやれるチャンスが来る。そこに賭けてアンテナを張り巡らしていくしかないのか、とも思う、なんともやりきれないエントリなのであった。この話は、たぶん(少し間をおいて)続きます。